俺様御曹司は欲しい

・・・コロシテモイイカナ?

貴様、大人しくスマホ見てると思ったらナニ観てんのよ。いや、別に観るなとは言わん。常識的に考えて?あたしがいる場で観んじゃねーよ。逝けよ、おら。あんたが逝けよ、おら。

「逝かせてやろうか?お望みどーり」

殺人鬼の形相というよりもう殺人鬼になってるあたしが九条に襲いかかろうとしてる。

「ちょちょちょ、待てって!イヤホンの接続が切れたんだって!」

「知らねーよ、言い訳なんざ聞きたかねぇんだよ」

「おいおい、柄悪女再来してんぞ。つーか確認してただけだっつーの」

「は?」

「どうやらお前じゃないと勃たないらしい」

・・・は?マジで“は”?

「いや、ワンチャン七瀬以外でも勃つんじゃね?って思ったんだけど無理だわ。うんともすんとも勃たん」

「へえー」

もう『へえー』としか言いようがない。

「別にそういう意味じゃねーぞ?お前以外とヤりてぇとかそういうこと思ってるわけじゃない」

「じゃなかった心置きなく逝かせてるわ、あんたのこと」

「物騒な女」

「はぁ。別に観るのも勝手だしお好きにどーぞとしか思わないけど、一緒にいる時に観るとかデリカシー無さすぎ。気をつけてよね」

ソファーに戻ってタブレットに目をやると、視界にわざとらしく入ってくる九条。