俺様御曹司は欲しい

「ハッ。やっぱお前には敵わねぇわ、ほんっと。上等上等~、だいたい七瀬以外知らねーし知るつもりもねーわ」

こんな優しい顔をするのも、愛おしものを見つめる穏やかな瞳もきっとあたしだけしか知らない。これからもずっとそう、あたしだけのもの。

「あたしも大概ヤバいかも」

「あ?ムラムラして?俺もヤバいんだよね~、さっきから。くっそビンビンに勃っ……んぐぉっ!?」

あたしはありったけのイチゴを鷲掴みして九条の口の中へブチ込んだ。

「イチゴで逝け」

謎の捨て台詞と共にあたしは九条から離れた。

「なあ、七瀬」

「なによ」

「見ててくんね?」

「は?なにを?」

「してくれとは言わん」

「はあ……?」

「俺がシコんの見てて」

キサマハ、ナニヲ、イッテイル?

「は?」

死んだ魚の目をしてドン引くあたし。もうこれに関してはマジで引く。

「バァァカ、冗談だっての~」

ヘラヘラしながらスマホをいじり始めた変態(九条)。ほんっと九条が言うと冗談に聞こえないから怖いよね。さすが変態、さすが存在自体が18禁。

ベッドで寛ぐ九条。あたしはサーバントの業務記録をタブレットに打ち込んでいた。すると──。

「んあっ、もうだめっ、いやっ」

「イけよ、おら」

「はぁん、もうイっちゃう!」