俺様御曹司は欲しい

で、連れてこられたのはもちろん溜まり場ことVIPルーム。そのまま九条の部屋に直行して、あたしを肩に担いだまま冷蔵庫からイチゴを取り出してささっと洗い、なぜかベッドの上に座った九条の上にちょこんと座らされるあたし。しかも向き合った状態で。

退こうとしても馬鹿力ゴリラ(九条)が腰に手を回してるからビクともしない。

「ちょっと、この体勢嫌だ……!」

「あ?ああ……ククッ、七瀬のえっちぃ~」

「マジであんたっ!?」

大きなイチゴを容赦なくあたしの口の中へ突っ込んできた九条。

「寄越せ」

「ん?」

「それ、寄越せ」

明らかにあたしの口の中に入ったイチゴを寄越せと申してる九条。要は口移ししろってことでしょ?そんなの死んでも嫌だ!!

「んん(いや)」

「さっさとしろ」

「んん(やだ)」

こうなったら高速咀嚼してさっさと飲み込んでやる!

「ちなみにそれ寄越さねぇと死ぬほどドえろいチューするけど?泣こうが喚こうがなにも考えられなくなるくらいの甘ぇキスするけど?んで勢い余ってあーんなことやこーんなことヤっちゃうかもね~。で、どうすんの?七瀬。お前覚悟できてる?」

いたずらっぽい笑みを浮かべてあたしを見つめてくる九条。そんなこと言って、できないくせに。