俺様御曹司は欲しい

「ごめん。本気で疑ったわけじゃないけど、こんなの気分悪いよね……本当にごめんなさい」

「はあ?んな本気で謝んなよ、調子狂うっての~。まあでも、お前が辛ぇなら全部捨ててもいい」

「え?」

「九条の名もなにもかも全部捨ててもいいっつってんの。俺はお前さえいりゃそれでいい。九条財閥なんておまけみたいなもんだろ」

いや、まずは捨てたデリカシーを拾いに行ってもらって、クズさを捨ててもらっていいかな?なんて思ったりもするけど、この言葉がすごく嬉しかったりもする。あたしだって九条柊弥自身のことが好きなだけで、九条財閥はおまけみたいなものだし、九条が全てを失ったとしても離れる気なんて更々ない。

九条くらいあたしが全力で守るし養ってやるわ。

「なぁに1人で吹っ切れた顔しちゃってんの~?つーか失礼なこと一瞬考えてたろお前。はい、お仕置き決定~」

「え、いやっ、うぎゃっ!?」

軽々とあたしを肩に担ぎ、雑そうに見えるのにしっかりあたしのスカートも押さえて誰にも見させないぞマンになってる九条にちょっとキュンとするあたしはきっと病気だ、うん。

そもそもオーバーパンツ履いてるからパンツが見えるわけでもないのに、ほんっと独占欲の塊みたいな人で分かりやすい。