トップシークレット

[あ~ごめんねー?ちょっと抵抗されたから少しだけ痛めつけちゃってさぁ。クックックッ、まともに喋れないみたぁい]

[……わたしの声は倉田さんに聞こえていますか]

[ああ、聞こえてるよ~?]

[すみません倉田さん。必ず助けに行きます、わたしを信じて]

[ギャハハハッ!ほんっと泣かせるねえ~、面白ぉい!んじゃ待ってるねぇん、千~帆ちゃん。ばいばぁい!]

通話を切られてた音が妙に大きく聞こえた。

どうしよう、どうする?ここは亮くん達に任せて1人で行くのがおそらく無難。

「櫻井、S専に連絡と地元警察に応援要請を。ここは櫻井と地元警察の方に任せます。私は白浜さんと倉田さんの奪還へ向かいます」

「うっし、了解!」

流星くんはやる気に満ち溢れた表情で親指をピンッと立ててグッドサインをしてる。

「ごめん、2人とも」

「貴女のせいではないと言ったはずですが」

「そうだぞ~!クヨクヨすんなって!」

「うん、ありがとう」

こうしてわたしと亮くんは倉田篤史の奪還すべく指定された場所へ向かった。

「私は付かず離れずの位置でバレないよう様子を伺います。相手方に悟られぬよう合図をください、場合によっては射撃します」

「了解」

亮くんの瞬発力や洞察力その他諸々……全てが長けてる。問題はないってそう判断して、きっと上手くいくだろうと倉庫の中に入るまではそう思ってた。倉庫の中はもぬけの殻状態で身を隠す場所も死角も全くない。わたし達にとってかなり不利な状況。

そのど真ん中に誘拐犯らしき男と椅子に座らされてる倉田篤史がいた。もう最悪すぎる、このシチュエーションが。