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「ではここで」

さすがに中までは入っていけないからトイレの入り口付近で待つしかない。

「中まで来ねぇの?」

既に中はちゃんと確認はした。外に繋がるドアがあるのがちょっと気にはなるけど鍵をかければ外側からは開けられない。ちゃんと鍵も閉めたし、窓の鍵もしっかり閉めた。カメラや盗聴機らしき怪しいものもなかったし、問題はない。

「それはさすがに」

「ハッ、冗談だっての。来られても困るわ、ちなみにうんこ」

「そうですか、いってらっしゃいませ」

定期的に声がけしたほうがよさそうだな。さすがに数分以上安否を確認できないのは不安すぎる。そう思って声をかけようとした時だった。ジャーッと水が流れる音が聞こえてくる。これは多分本物の水が流れてる音じゃない、音消しの流水音かな。正直そういうの使わないでほしい、音が邪魔して感じ取りづらくなる。

トイレの入口ドアをコンコンと鳴らして声をかけた。

「あの、倉田さん」

「……」

「倉田さん」

「……」

「倉田さん?……すみません、入ります!」

いない、いない、いない……しまった、完全にしくじった。一応倉田篤史と連絡先交換してたから電話してみたけど出るはずもない。最悪、これはわたしのミスだ。すぐに亮くんと流星くんにインカムを繋いだ。

「倉田篤史が消えた!ていうか、多分連れて行かれた!ごめん、わたしのせいだ。とりあえずわたしは捜索に向かうから亮くんと流星くんはっ」

「白浜さん1人では危険です。一度こちらへ戻って来てください。話はそこからです」

「そうだな、まずは落ち着こうぜ白浜」

「……うん、ごめん」

亮くん達と合流して、わたしは事の説明をした。

「ごめん、完全にわたしのミスだ」

「いや、白浜のせいじゃないよ。確認を怠ったわけじゃねーし」