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亮くんの大きくてゴツゴツした手でわたしの口は塞がれた。状況を理解するのに数秒かかったけど、先生が怒涛のラストスパートを仕掛けてきてる今、先生の奇襲である可能性が高い。

わたし達は気配を消して息を潜める。

「ねぇ、本当にここ大丈夫?」

「ここは滅多に人が来ないで有名だぜ?」

うん、めちゃくちゃ嫌な予感がする。

そしてわたしの嫌な予感はどうやら当たってしまったらしい。男女がおっ始めてしまった……。

「あんっ、すごい!」

「っ、やべぇ、気持ちいい!」

音も声も全て筒抜けで放心状態のわたし。ほんっとうに勘弁して、よりによって亮くんとこんな密着してる時にやめてよ、死ぬ。なんかこう、変な気分になってきちゃうじゃん。

わたし顔真っ赤だろうな今、めっちゃ恥ずかしいんだけど。そう思いつつ亮くんをチラリと見上げてたら、『マジでどーでもいい、さっさと終わってくれ』と言わんばかりに嫌そうな顔をしてる。

相変わらず亮くんを壁ドンしつつ、口を手で押さえられてるというなんとも言えない絵面のままで、他人のエッチを聞かさせるっていう一種の拷問に耐えてるわたしを褒めてほしい。

「スッキリしたー」

「もぉ、バカ~」

「気持ちよかったくせに」

「うるさぁい」

地獄のような時間がようやく終わった。押さえられていた口は解放されて、わたしも本棚に押し当てていた手を退かしながら亮くんを見上げた。

「すみません、大丈夫でした……か……」

「……え、あ……うん……」

目と目が合って視線が絡み合うと、眼鏡越しの亮くんの綺麗な瞳は少し揺れていて、ちょっと動揺してるように見えた。その瞳も表情も、全てがわたしの胸を高鳴らせる。