あー、うん。そうだね?たしかに“私”のほうがいいとは思うよ?ド正論。
「あ、ああうん。そうだね?“あたし”より“私”のほうがいいかもしれない。あははっ、ありがとう!指摘とかしてもらえると結構助かるかも~」
「いえ。では」
軽く頭を下げて去ろうとする黒髪男子に目が点になるあたし。いや、わたし。いやいや、ちょっと待たれよ。わたし達同期なんでしょ?同期なんだよね!?普通は『一緒に教室へ行きませんか?』みたいなノリになるもんなんじゃないの?
「あ、あのさ!」
「なんでしょうか」
「いや、あの、行く所は一緒なんだからさ?あっ、わたしと一緒に教室まで行かな~い?とか思ってみたりもして?」
『なんだこの鬱陶しい女は』って思われてるよね、多分。それにわたしみたいな特異体質の女、きっと怖がられるに決まってる。引いたり怯えたりする黒髪男子の姿なんて見たくない。だったら、最初から深入りしないほうがいい。そう頭では思ってて分かっていても、心が言うことを聞いてくれない。
わたしは少しうつ向いて、黒髪男子が今どんな表情をしているのか直視できない状態。ていうか、なんで無言なの!?断るなら早く断ってよぉ。この“間”がめちゃくちゃ気まずいんですけどー。
「あー、なんかごめんね?急にこんなこと言われても困るよね~。『いや、気まずっ!』的な感じになっちゃうよね!?ははっ。やっぱ気にしないで?なら、また後でね~」
もう恥ずかしいやら気まずいやらで黒髪男子の顔を一切見れず、胸元を見ながら勢いよくバーッと喋って走り去ろうとした、その時。ガシッと手首を掴まれて軽く引っ張られた。あまりにも予想外すぎる出来事に、思わず顔を上げると黒髪男子としっかり目が合ってドキッと胸が弾む。
「あ、ああうん。そうだね?“あたし”より“私”のほうがいいかもしれない。あははっ、ありがとう!指摘とかしてもらえると結構助かるかも~」
「いえ。では」
軽く頭を下げて去ろうとする黒髪男子に目が点になるあたし。いや、わたし。いやいや、ちょっと待たれよ。わたし達同期なんでしょ?同期なんだよね!?普通は『一緒に教室へ行きませんか?』みたいなノリになるもんなんじゃないの?
「あ、あのさ!」
「なんでしょうか」
「いや、あの、行く所は一緒なんだからさ?あっ、わたしと一緒に教室まで行かな~い?とか思ってみたりもして?」
『なんだこの鬱陶しい女は』って思われてるよね、多分。それにわたしみたいな特異体質の女、きっと怖がられるに決まってる。引いたり怯えたりする黒髪男子の姿なんて見たくない。だったら、最初から深入りしないほうがいい。そう頭では思ってて分かっていても、心が言うことを聞いてくれない。
わたしは少しうつ向いて、黒髪男子が今どんな表情をしているのか直視できない状態。ていうか、なんで無言なの!?断るなら早く断ってよぉ。この“間”がめちゃくちゃ気まずいんですけどー。
「あー、なんかごめんね?急にこんなこと言われても困るよね~。『いや、気まずっ!』的な感じになっちゃうよね!?ははっ。やっぱ気にしないで?なら、また後でね~」
もう恥ずかしいやら気まずいやらで黒髪男子の顔を一切見れず、胸元を見ながら勢いよくバーッと喋って走り去ろうとした、その時。ガシッと手首を掴まれて軽く引っ張られた。あまりにも予想外すぎる出来事に、思わず顔を上げると黒髪男子としっかり目が合ってドキッと胸が弾む。



