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なんで、どうしてこんな時までわたしのこと最優先にするの?わたしなんて治療でしか役に立たない女だよ?この為に存在するような女だよ?だからそんなこと気にしなくたっていいのに、なんでよ亮くん。どうして君はそんなにも優しいの……?

「貴女は治療の道具でもなんでもない……白浜さんは白浜さんでしょう……」

「なに……っ、言ってるの……」

わたしの目からは大粒の涙が流れ出して頬を伝う。その涙はポタポタと亮くん体に落ちていく。

「泣かないで……ください」

亮くんの優しい表情とその声に胸が張り裂けそうになった。

「お願いだからっ、亮くん!」

「貴女の施しは受けません、結構です」

わたしの中で怒りや悲しみの感情がごちゃごちゃになって、なぜか亮くんに苛立ちを覚えた。

「……っ、こんの分からず屋が!!さっさとわたしの血飲めって言ってんでしょ!?」

「っ、だから要らないと先ほどから言っているでしょうが」

「亮くんの分からず屋!頑固者!」

「分からず屋で頑固者なのは貴女でしょう、白浜さん」

「違う!!もう知らない、無理やりしてやる……もう無理やり飲ませてやる!!」

「しっ、白浜さん……っ!?」

わたしを舌を思いっきり噛んで、そのまま亮くんの頬に両手を添えて唇を重ねた。気持ち悪いよね、こんなの……でもごめん、どうしても亮くんを救いたい。だから許して──。

わたしは抵抗できない状態の唇を奪うだけじゃなく、亮くんの口の中に舌を入れて血を無理やり含ませた。亮くんの体にしっかり浸透するように痛む舌を必死に動かして、逃げようとする亮くんの舌を絡めとる。

「はぁっ……ん、お願い亮くん……逃げないで」

「……っ。もうどうなっても知りませんよ、白浜さん」

「んっ!?」