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「会場のカーテンを今すぐ閉めてください!!外部から狙われています!!早くして!!」

わたしはそう叫びながら亮くんのもとへ駆け寄った。

「おい!!俺の怪我を今すぐ治してくれ!!」

なんなの、こいつ。

「早くしろ!!何の為に君がいるんだ!!」

なんなの、あんたら。

「──い」

「白浜君!!」

「うっさい!!そんな傷てめぇの唾でもつけときゃ治んでしょ!!グダグダ言ってないで死にたくなきゃさっさと避難しなさいよ!!」

わたしは怒鳴りながら出血の酷い亮くんの腹部に手を当てて治癒を始めた。S専関係者が気を利かせてくれて依頼者や上層部の連中を連れ出してくれて助かった。あのままいられたら、本当に殺したくなってたと思う。

「亮くん……ねぇ、亮くん!!」

「……っ、なんでしょうか。そんな大きな声で呼ばなくても……聞こえてますよ、ちゃんと……」

血が止まんない、こんなじゃダメだ。わたしの治癒力を最も高く保ったまま相手へ分け与えられる体液は血液。

「亮くん、わたしの血飲んで」

折り畳み式ナイフを取り出して指を切ろうとした時、ナイフを持ったわたしの手を大きいのにとても弱々しい力で掴んだ亮くんの手。

「やめてください、自分を傷つけるような真似はしないでください……白浜さん。私はそこまでして、助かりたくはない」

なにを、なにを言ってるの……?もう残された時間は少ない、だからちゃんとわたしの言うこと聞いてよ、お願いだから。

「ねえ、亮くん!お願いだからわたしの言うこと聞いて!わたしの血を飲めばなんとかなるから!わたしは全然平気、だからっ」

「嫌です……私を理由に貴女を傷つけるわけにはいかない……貴女の大切な体の一部を分け与えてもらうなど、私には……そんなことできない……っ!!」