トップシークレット

「こちら白浜、南口付近に怪しい男がひとり。ダークスーツにゴールドのストライプネクタイ、年齢は20代半ばで身長は175センチ前後、やや痩せ型。髪は黒髪に襟足がピンク」

「こちら清木、南口付近にいます。該当者らしき男を目視で確認。確保します」

確保された男は案の定抵抗してる。あの暴れようだからあれが容疑者で間違えないかな。

そんな安易な考えはすぐ打ち砕かれた。どこからか感じる敵意、殺意。わたしは何度もこれを肌で感じてきた。まだ終わってない。どこなの、一体どこから?

その時、キランッと窓に反射するなにか……ヤバい!!考えるよりも先に体が勝手に動いた。あれは遠距離から狙えるスナイパーライフル!

お願い……!間に合って!

わたしは新郎新婦を力いっぱい押した。

後ろに倒れ込んだ新郎新婦、そしてわたしの腹部を掠めていった銃弾らしきもの。やっぱ撃ってきたなと瞬時に理解する。問題ない、この程度の掠り傷ならすぐ治る。痛みなんて我慢すればいい。

あの位置、方角からの銃弾。

「このまま這ってあの司会台まで行ってください!」

「「は、はい!」」

この角度ならもう新郎新婦を狙うことはできないはず。

「あなた血が出てるじゃない!」

「わたしは大丈夫です。ここから絶対に動かないでくださいね」

そして、辺りを見渡したわたしの視界には受け身を取らずバタリと床に倒れ込んだ亮くんの姿が。一瞬、なにが起きたのか理解できなかった。

わたしの腹部を掠めていった銃弾とは別に撃ち込まれたものが、亮くんの腹部を襲ったということ。大した怪我もしてないくせに、亮くんに守られたくせにギャーギャー騒いでる依頼者。あんなやつを守って亮くんが……って、今はそんなこと考えてる場合じゃない。