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流星くんの言う通り、アンテナを常に張り巡らせてたほうが無難そう。なんか嫌な予感する──。

そして、式は順調に進んでいた。嫌な予感してたけど、思い過ごしだったのかもしれない。このまま何事もなく終わるといいな。お腹空いたし、中華の口になってたから中華食べたい。

「こちら白浜、異常なし」

「こちら鳴海、問題なし」

「こっちも異常なし!あ、こちら櫻井!」

「悪い、少し持ち場を離れる。気ィ抜くなよ」

「「「了解」」」

「で、白浜。ここはオメェが指揮を執れ」

「え、わたしですか!?」

「鳴海と櫻井はド素人だ。オメェが一番修羅場くぐってんだろ、頼んだぞ」

「……了解」

この場の指揮を任されたってことは、この場に在る命を任せられたも同然で、わたしの判断ミスが命取りになるということ。

「白浜さん、貴女なら大丈夫です」

「僕達も全力でサポートするから!」

インカム越しの2人の声がとても心強くて、会って間もないはずなのにこの安心感はなんだろう。ずっと前から一緒にいたような、そんな感覚になる。きっとわたし達は波長っていうのかな、相性が良いのかもしれない。

「ありがとう、流星くん亮くん」

それから小まめにやり取りを交わして、インカムで常に連携を取るわたし達。他のS専関係者にも声がけしたりして、特に問題は起きていない。このまま無事に終わってほしい、そう願った瞬間だった。

パン!!と銃声が鳴り響いて会場は一瞬でパニック状態に陥った。

「流星くんは一般客の避難誘導を優先して!」

「了解」

「亮くんは依頼者達の護衛に回って!」

「了解」

わたしは対象者、狙われやすい新郎新婦の護衛に素早くついた。銃声が聞こえたのはあっちの方向だけど、人が多すぎて……そんな時、わたしの視界に怪しげな男がひとり入ってきた。