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性懲りもなく失言をするこの馬鹿は私達に殴られる蹴られるの暴行を受け、無様な姿で煙草を吹かしている。本当にこんな人が教師でいいのか?こんなデタラメな人が教鞭をとっていいのか?この人は教育の現場に向いていない、この一言に尽きるだろう。

「んじゃ適当に荷物片して後で飯に食いに行くぞ~。今日は俺が奢ってやるから~」

そう言いながら去っていく羽田野先生を遠い目で見つめる私達。

「先生が奢るとか裏ありそうじゃね?」

「ね、それわたしもマジでそう思う」

「まぁ、もういいでしょう。あの人は放っておけば」

「「たしかに」」

寮の部屋にしては十分すぎるほど設備もしっかりしている。トイレも浴室も脱衣室もキッチンも不自由ないほどの広さで6畳ほどの部屋が1つ。1LDK、どこの造りもおそらくそうなっているはず。咄嗟に身を隠すには不便だが、本来S専で狙われるということはほぼ無いに等しい。

「今日から1ヶ月、常に狙われていると思え……ですか」

あの人は一体何を考えているのか──。

しばらく荷解きをしていると、コンッコンッと控えめに叩かれたドアの音が響く。念の為足音を立てずドアに近付き、警戒しながら様子を伺うことにした。

「あの、えっと……白浜だけど」

その声に思わずドアを開けてしまった、そしてすぐ後悔することになる。

「はい、死んだ~」

咄嗟に身構えたものの、玩具のナイフは私の心臓を突いていた。

「ちなみにオメェら全員死亡。マジちょろすぎ~」

「……はあ、そうですか」

羽田野先生の後ろには苦笑してる櫻井と白浜さん。そんな2人に私は苦笑いすらできず、大きなため息を吐くしかなかった。

「全滅ですか、話になりませんね。櫻井と白浜さんはいいとして、私としたことが」