トップシークレット

うん、ただのやる気ない無造作に髭を生やしてる死んだ魚の目を持つセクハラ男としか到底思えない。

「おい白浜、オメェしれっと失礼なこと思ってんなよ」

「あ、ああ……すみません」

「白浜、オメェはまず驕りを捨てろ。その力は強くも弱くもする。俺が言ってる意味、自分が一番よく分かってるとは思うが敢えて言わせてもらう。オメェはその力に頼りすぎだ。最悪致命傷さえ避ければ何とかなるってどっかで思ってんだろ。自分が撃たれようが刺されようが人命救助最優先とか、ほんっとどこぞのヒーロー気取ってんだ。ま、そうさせないよう姫野と松下が守ってたはずだがな」

だってそうでしょ。

人は簡単に死ぬ。

わたしはそれを目の当たりにしてきた。

でもわたしは普通の人間じゃない、みんなとは違う。そう簡単に死ぬことはない、だからいいじゃんってそう思うのは必然。痛いものは痛い、わたしだって痛みは感じる。だけど、それを我慢すればいいだけの話。そんなことよりわたしは、姫野さんに託された思いを──。

「そんな考えじゃいつまで経っても弱ぇまんまぞ。つーか、死ぬぞ白浜」

ふざけた様子は一切ない。この人がそう言うのならきっとそうなんだと思う。この人はレベルが違う、あの氷室先輩達でさえ『アイツは別格だ』ってそう言ってた。そんな人に『死ぬぞ』なんて言われたらもう、本当に死ぬんだなとしか思えない。

「そうはさせません」

「だからなぁ、鳴海ィ……そういうんじゃっ」

「私が死なせない、私も死なない。白浜さんが強くなりたいと願うなら、私達と共に強くなっていけばいい。置いてきぼりにはしない、させない。どんな時でも私達は仲間で共犯者でもあるということ、肝に銘じておいてください白浜さん」