ツラいことだってたくさんあった。小学生頃、この力を知られてからは学校でハブられるのなんて当たり前だったし、怖がられて気持ち悪がられてるからイジメに発展することすらもなかった。要は異物、腫れ物扱い。それを気の毒に思ったお父さんとお母さんは、わざわざ地元から遠い学校へ転入させてくれて、わたしはこの力がバレないように誰とも深く関わらずに生きてきた。
上辺だけの友達付き合い。それはそれで悪くはなかったけど、心の底から笑えていたか……と聞かれたら『笑えていなかった』と即答するだろうな。そんな時、お父さんとお母さんに連れて来られたのがS専。お父さんもお母さんもわたしの力を誰にも使わせるつもりはなかったらしいんだけど、Xとの大規模な争いが勃発。S専への急襲だったこともあって怪我人が続出。あの時は苦渋の選択だったと思う。
この力が知れたらS専は必ずわたしを欲しがる……いや、利用したがる。あの上層部なら尚更ね。でも、わたしはお父さんもお母さんも恨んだり憎んだりは一切してないない。だってS専はこんなんでもわたしにとって他のどこよりも居心地がいいから。この力を隠す必要のない居場所だから。
「上の連中がビービーやかましかったぞ~?『白浜を失うわけにはいかん!』ってな。随分と気に入られてんじゃねぇか。俺の給料上げるように言ってくれよ~」
そう言いながらわたしの頭に手を乗せてポンポン撫でてくる担任の手を振り払った。
「どう考えたってオメェはチート級、最強だわな。普通に強ぇと思うぜ~?能力はな。オメェが貴重なのも重々承知してる。だから上の連中も危険度の高い任務には基本的にオメェを派遣しない。ま、イレギュラーはつきもんでオメェを危険度の高い任務へ派遣することも無くはないらしいなぁ?」
ドクンッ……ドクンッ……と心拍数が上がっていく。
「ククッ。オメェに最低でも2人の護衛を付けるっつーのが条件なんだってぇ?いやぁ~、上の連中からの寵愛が羨ましい限りなこってぇ~」
この人はきっと、全てを知ってる──。
上辺だけの友達付き合い。それはそれで悪くはなかったけど、心の底から笑えていたか……と聞かれたら『笑えていなかった』と即答するだろうな。そんな時、お父さんとお母さんに連れて来られたのがS専。お父さんもお母さんもわたしの力を誰にも使わせるつもりはなかったらしいんだけど、Xとの大規模な争いが勃発。S専への急襲だったこともあって怪我人が続出。あの時は苦渋の選択だったと思う。
この力が知れたらS専は必ずわたしを欲しがる……いや、利用したがる。あの上層部なら尚更ね。でも、わたしはお父さんもお母さんも恨んだり憎んだりは一切してないない。だってS専はこんなんでもわたしにとって他のどこよりも居心地がいいから。この力を隠す必要のない居場所だから。
「上の連中がビービーやかましかったぞ~?『白浜を失うわけにはいかん!』ってな。随分と気に入られてんじゃねぇか。俺の給料上げるように言ってくれよ~」
そう言いながらわたしの頭に手を乗せてポンポン撫でてくる担任の手を振り払った。
「どう考えたってオメェはチート級、最強だわな。普通に強ぇと思うぜ~?能力はな。オメェが貴重なのも重々承知してる。だから上の連中も危険度の高い任務には基本的にオメェを派遣しない。ま、イレギュラーはつきもんでオメェを危険度の高い任務へ派遣することも無くはないらしいなぁ?」
ドクンッ……ドクンッ……と心拍数が上がっていく。
「ククッ。オメェに最低でも2人の護衛を付けるっつーのが条件なんだってぇ?いやぁ~、上の連中からの寵愛が羨ましい限りなこってぇ~」
この人はきっと、全てを知ってる──。



