トップシークレット

「『でも私は“治療専門”なんで』ってかぁ?トップシークレット様々だなオメェは」

『オメェの言いたいことなんざお見通しだ』そう言わんばかりの顔をしてわたしを見下している担任の瞳に責め立てられてるようでツラい。

トップシークレット──。最強の一角、こんな逸材はもう二度と現れない。守れ、死なせるな、奪われるな。

わたしの存在は極秘案件、それでも情報は漏洩するし現場に出向いてしまえばわたしの存在なんて隠しきれるはずもない。だからわたしを閉じ込めたがるS専の上層部。けど、失うわけにもいかない者達が存在するわけで、わたしは駆り出される。

守られながら人を救うその先になにがある?その先にあるのは、わたしのせいで傷つく仲間の姿。わたしはその現実を受け入れることができない、わたしのせいじゃないってそう思わないとやっていけない。

「そ、そうですけど……現にわたしはそれ要員でS専に呼ばれてるはずです」

「ハッ、だろうな~。でもそんな甘かねぇんだよ。オメェみたいなお荷物が仲間を殺すってこと、肝に銘じとけよ」

わたしが今までどれだけ自分を犠牲にして、たくさんの人達を救ってきたと思ってんの?なんて、そんなおこがましいことは思っていないし、これが当たり前だと思って生きてきたから、なんとも思っていない。助けられるものなら、すべて取り零さす助けたいって、そう思ってやってきた。別に正義感とか、そんな大それたものじゃないけど、それでもこの力を持って生まれてきた意味をわたしなりに解釈して、尽力してきたつもり。

わたしだって努力した、でも努力が報われることも周りに認められることもなかった。『君は稀少なんだ、何かあってからでは遅い。君は治療だけに専念してくれ。他は期待していない』そうわたしを扱ってきたのはS専の大人達じゃん。