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「ああ?オメェらの担任だよ」

「「「……マジか」」」

わたし達は声を揃えて、ただただ呆然とするしかない。生徒に銃口向ける教師ってどう考えてもイカれてるでしょ。いや、なにを言ってんだろうわたしは。ここはあのS専だよ?普通が通用するわけがない。これが普通である……というか、許される場である。

「櫻井」

「え、あっ、はい!」

「オメェはマイナス10点」

いきなり点数を付け始めた担任。煙草に火を付けてゆっくり教室内を歩いている。

「鳴海、オメェは0点」

そして、未だに亮くんの背後にいるわたしの隣に来てフゥーッと煙草の煙を浴びせてきた。

「ゴホッ、ゴホッ!ちょ、煙!」

「白浜、オメェはマイナス100点だな」

「……はい?」

「鳴海、オメェちょっくら退いてろ」

そう言うと亮くんの肩に触れた担任。次の瞬間、亮くんがよろけながら崩れ落ちてガシャンッ!と机を倒しながら床に座り込んでしまった。

「亮くん!」

「鳴海!」

流星くんは亮くんのもとへ素早く駆けつけ、わたしは担任に腕を掴まれ動けない。わたしが睨み付けると目を細めてニヤッと嬉しそうに笑っている。

「噂には聞いてたがわりとイイ女だねぇ~」

なにを言ってるんだろう、この人は。

「だけど俺、オメェみたいな女嫌いなんだわ」

「……は?」

「まず俺の声が聞こえたのにも関わらず櫻井達より反応がワンテンポ遅れた。これマイナス30点なー」

「は、はあ」

「んで、ひたすら男に守られて後ろに隠れていた。これマイナス70点。オメェみたいな奴は足手まといにしかならん」

小馬鹿にすると言うより心の奥底から出てきた本音……そんなような気がする。これに関しては正直言い返すことができない。紛れもない事実だから。でもわたしは、そういう要員じゃない。

「ごもっともですけど、でもっ」