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心底嫌そうな顔をしている白浜さんを見て、氷室さんとはそういう関係でない……というのが伺える。

「ていうか、むっつりスケベもオープンスケベもどっちともスケベなのには変わりなくない?スケベ前提なのがウケるよね~」

「たしかに!鳴海がスケベ前提の話になってんな!」

「もぉ、流星くん最っ低~」

なんて言いながらケラケラ笑っている白浜さんと櫻井。いや、笑い事ではない。何故私がスケベ前提になっているんだ。それにこの手の話題を女性とするのは如何なものか。

「あなた達は何も思わないのですか?」

「ん~?なにが?」

「どうした?鳴海」

そうか、この2人は私とは違う。恋愛経験も何もかも、私とは違う。人と関わることを極力避けてきた私がこの2人と対等になどという考えは、おこがましいのかもしれないな。

「……あっ、いやっ、違うよ!?別に下ネタが好き~とか、得意~とかじゃないからね!?でも、ぶっちゃけそこまでウブでもないっていうか。ほら、なんていうか……ね?ねっ!?」

必死な顔をして私に迫ってくる白浜さんに若干後退りしている私は相当情けないだろう。

「いえ、別に……そんなことは聞いていないのですが」

「勘違いしないでね!?あたしっ、いや、わたしは氷室先輩と違うから!」

「は、はあ、そうですか」

「あーもうっ!流星くんのせいで変態女的なキャラになっちゃってんじゃん!」

「ハハッ!!下ネタもいけちゃう女の子好きだけどな~!僕は」

「そういう問題じゃない!」

白浜さんは腕を組んで櫻井にガミガミ説教をし始めた。というか、私は白浜さんのことを変態女とは一切思ってもいないし、言ってもないんですけどね。

「おーーいオメェら、死ぬぞ」

その声に私達の表情が一瞬で強張り冷や汗が流れる。

── 気配が一切しなかった。

いつからこの教室にいたんだ?私と櫻井はすぐさま上を見上げると、天井の一部が開いていて銃口を向けられている。なるほど、そう甘くはないということですか。