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「鳴海のことだから『女性へのボディタッチは非常にマズい』とか思ってんだろ~。むっつりスケベだなぁ~!ハハッ!!」

チッ、頼むから余計なことを言わないでくれ櫻井。そして何より、むっつりスケベではないということを一刻も早く白浜さんに伝えなければ。

「違います」

「え?」

若干前のめりになっている私に少し戸惑っている様子の白浜さん。私は何故、こんなにも必死になっているのだろうか。

「私はむっつりスケベではありません」

「じゃあオープンスケベ~?」

ニヤニヤしながら肩をツンツンしてくる櫻井に苛立ちを隠せそうにない。

「あの、櫻井は少し黙っててもらえますか」

櫻井を睨み付けると更にニヤニヤし始めた。

「めんごめんご~。なぁ、白浜はどっちがタイプ?むっつりスケベかオープンスケベか!」

白浜さんにそんな下世話な問いをさせようとする櫻井は馬鹿なのか?馬鹿ですね、馬鹿に違いない。

「君は馬鹿ですか?」

冷めた目で櫻井を見ると苦笑いをしている。そして、チラリと白浜さんを見てみると何故か私を凝視していた。

「いや、あの、白浜さん。こんな馬鹿げた問いに答える必要はありませんよ。それと、私はむっつりスケベではありません」

何をこんなに弁解しようとしているんだ?今まで誰になんと思われようが、特段気にも止めなかったじゃないか。『鳴海君ってカッコいいけどクソ陰キャだよね』『あ~いう男って、なに考えてんのか分かんないから怖くなぁい?むっつりそうだしぃ』別に何を言われようが、何も感じないしどうでも良かった。だが、白浜さんにはそう思われたくないと思ってしまう。まあ、弁解しようとすればするほど確実に怪しまれるでしょうけど。

「まあTPOを弁えられるなら、どっちでも良いんじゃないかなー?氷室先輩みたいに所構わず~みたいなのはぶっちゃけどうかと思うけどー」