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櫻井は大きな声で元気よく挨拶をしている。櫻井も私とは真逆、正反対の人間だ。白浜さんも櫻井も私には眩しすぎる。

「ああ、よろしく。僕は二階堂大翔(にかいどうやまと)」

「私は皐月鈴(さつきすず)。で、あそこで千帆と騒いでんのが氷室伊吹(ひむろいぶき)ね」

「……で、君は?」

二階堂さんがニコッと微笑みながら私を見ている。正直に言うと胡散臭い笑みだなとしか思えないが。

「申し遅れました。鳴海亮です、よろしくお願いします」

「ああ、こちらこそよろしく頼むよ」

二階堂大翔、この人の感情を読み取るのは難儀しそうだ。極力問題事を起こさずに先輩方と過ごすのが無難。適当に、適度にやり過ごそう。

「おーい、伊吹。いい加減やめなよ。千帆が可哀想だろ?」

「たーすーけーてー!二階堂せんぱーーい!」

氷室さんに取っ捕まえられて、こめかみをグリグリされている白浜さん。どう考えても距離感がバグりすぎでしょう。白浜さんと氷室さんの関係性は……?

「すみません。あなた達は一体どういう関係で?」

気付けばそう口にしていて、こんなことを聞くつもりは無かった。それなのに私は何故こんなことを口走ってしまったのだろうか。

「あ?別にどーもこーもねぇけど?」

キョトンした顔で私を見ている氷室さんと白浜さん。

「う~ん。強いて言うなら僕達の可愛い妹、みたいなものかな?」

「いやぁ~、こんなクズな兄貴とか要らないでしょ~」

氷室さんは『どーもこーもない』と言い、二階堂さんは『可愛い妹』だと言う。そして皐月さんはこの2人を『クズ』呼ばわり。はっきり言って面倒くさそうな人達だ。

「はあ、そうですか」

「りょ、亮くん!二階堂先輩はまだしも氷室先輩、この人だけは本当に気をつけたほうがいいよ!?ていうか、ぶっちゃけ関わらないほうが身のため!」