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「おっしゃあー!んじゃ、行こうぜ!僕達の教室へ!」

「ひゃあ!?」

「ちょっ!?」

わたしと亮くんの間にピョーンッと跳んできて、肩をしっかり組んできた流星くん。わたしはバランスを崩して転けそうになった。

「おっと、ごめんごめん!大丈夫?白浜。ハハハッ!」

悪びれる様子もなく、笑いながらわたしを支えてくれた流星くん。この人懐っこい感じと眩しいほどの笑みで全てを乗り切って来ました!感が強い流星くん。決して悪いことではないんだけどね?とても素敵だと思う。きっといい人なんだろうなっていうのが分かるし、周りをパッと明るくしてくれる太陽みたいな、これもまた才能。SPに必要かそうでないかといえば多分必要ではないんだろうけど、わたし達S専側にとっては必要。

この界隈は時に残酷だから──。

「んもぉ、流星くん危ないじゃん!」

「ハハッ!セーフセーフ!」

「あの、歩きづらいので離れてください。迷惑です」

「おいおい、そんなこと言うなよ~。鳴海ィ!」

とか言いながら、わたしのほうに体重をかけてくる流星くん。あの、地味に重いからやめてほしいんだけどー。

「ねえ、重い~!流星くんわたしのほうに体重かけすぎじゃない!?」

「ん~?そんなつもりはなかったんだけどな!白浜、筋力不足じゃない?これから一緒に筋トレしようぜ!」

キラキラした瞳でわたしを見てくる流星くん。そんな瞳でわたしを見ないで!筋トレとか嫌だよ、筋トレなんてしたくない!ぶっちゃけわたし、それ要員じゃないし?治療専門だし。 

どうせ努力したって──。

「わたし筋トレ嫌いなんだよねー、疲れるし」

「疲れなきゃ筋トレの意味ないだろ!?」

そんなド正論求めてないよ?流星くん。氷室先輩に散々シゴかれたから筋トレとかもうウンザリ。『やっぱこっちの才能は死ぬほどねぇな、カスすぎ』とか言われてマジで心折れたし。

「ひとりでやってきたらー?わたしはパ~ス!!」

「う~ん。なら、鳴海!一緒に筋トレしようっ」

「しません」

即答でそう答えた亮くんをチラッと見上げて見ると、かなりの仏頂面になっていた。こういう絡み慣れてないのかな?わたしも気をつけよ。

そんなこんなでわたし達は教室へ向かった。