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軽く頭を下げてボソッと喋った亮くん。なんだかちょっとだけ面倒くさそうにしてるのが亮くんらしくて。

「なんかお堅いなぁー!!鳴海~」

「いや、初対面でそのテンション感はどうかと思いますけど」

「「えっ!?」」

わたしと流星くんは見事に声を揃えた。え、ちょっと、マジか。わたしのテンション感もヤバかったってこと!?

「はあ、なんですか?2人して。そのように凝視されても反応に困りますが」

「いや、これって普通じゃないか!?鳴海が妙に落ち着いてるだけだと思うけど!な!?白浜!」

「ふぇっ!?」

いやいや、こっちに振らないでよー!!まあでも、正直言うと流星くんの意見派なんだけどさ、それをどう上手く伝えればいいのか。だって亮くん、本当に落ち着きすぎてるもん!マジで同い年なのか疑いたくなるレベル!

「あー、なんていうか?ほら、わたしと流星くんがこんな感じでしょ?だから、亮くんみたいに落ち着いてる人って結構重要っていうか、必要だと思うけどなぁ~!バランスって大切だよね。じゃない?」

「まあうん、たしかにそうかも!僕達ってめっちゃバランスいいんじゃね!?なっ!鳴海!」

「はあ、そうですか。そういうことでいいんじゃないですかね」

ドキドキとワクワクで胸がいっぱいになってる。この出会いが、わたしの人生を大きく変えてくれるって、そんな予感がするの。『どうせ、つまらない日々を送るんだろうな』ってそう思ってたのにそれはすぐ覆されて、今ではもう『楽しい日々を送るんだろうな』としか思えない。単純な女だって思われるかもだけど、でもきっとそうだもん。

なんだかんだ優しい先輩達がいて、同期にも恵まれて、おそらく運命の人であろう亮くんにも巡り合えた。これはきっと“偶然”なんかじゃない。