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「亮くん打つの苦手なの~?」

「まあ、はい。そうですね、あまり得意ではありません」

「へぇ~、意外だね?器用そうなのに~」

「そうでもありませんよ」

「でもさ、こういうのって慣れだよね~!」

「そうかもしれませんね」

ちょっと待った。この話の流れは、連絡先を交換する絶好のチャンスなのではなかろうか!?

「あのっ、亮くん。よかったら連絡先っ」

「おーい!そこのおふたりさーん!」

後ろから大きな声が聞こえて、わたしと亮くんは同時に振り向いた。振り向いた先にいたのは、ブンブン手を振りながら笑顔で走ってくる真新しいS専の制服を着た男子。

「白浜さんのお知り合いですか?」

「いや、知らない」

「そうですか」

そして、とびっきりの笑顔でわたし達の目の前まで来た。真新しい制服だし、もしかしたら1年生かな?先輩ではなさそう、見かけたことないし。ま、わたしも会ったことない先輩はたくさんいるんだけどね?

「君達1年だよね!?僕も1年なんだ!」

わたしより遥かにテンション高そうだなぁ。こういう明るくて元気な人って結構好き、気が合うんだよね~。

「なら同期だね!わたしは白浜千帆。よろしくね!」

「へぇー!千帆って可愛い名前だな!いや、名前だけじゃなくて見た目もめっちゃ可愛いけどさ!」

「あはは。いやぁ、口が巧いな~」

「いやいや、お世辞とかじゃなくて!めっちゃ可愛いじゃん!あ、僕は櫻井流星(さくらいりゅうせい)!えっと、君は!?」

「鳴海亮です」

「鳴海かぁー!イイネ!じゃあ、鳴海と白浜!これからよろしく!」

「えーっと、流星くん……でいいのかな?」

「ハハッ!いいよいいよ~!!」

「よろしくお願いします」