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「ねえ、亮くん」

「私は貴女を壊してしまう」

わたしを壊す……?どういうことなの?わたしは壊れたりなんてしない、そんなやわな女じゃないって亮くんだって知ってるでしょ?

「なにに怯えてるの?なにを怖がってるの?」

「……私のこと、嫌いになりましたか?こんな情けない男で」

わたしのほうへ振り向いた亮くんの顔は悲痛に歪んでいた。とても寂しそうで、自信が無さそうで、何かに恐れているような、そんな表情でわたしを見てる。

「嫌いになんてなれないよ」

「……私はきっと、貴女を壊してしまう」

こんなにも不安に押し潰されそうになってる亮くんを見るのは初めてで、わたしを壊してしまうと怯えてる理由は一体なんなのか。

「大丈夫、壊れないから」

「……駄目なんです。自制も利かず暴れて、羽田野先生に救ってもらわなければ今頃どうなっていたか。情けないただのクソ野郎なんです。貴女が壊れないように、貴女を壊さないように、そう思っても何度も何度も壊してしまうんです」
 
亮くんが理由もなく暴力を振るうなんてことは絶対にない。自制心が失くなってしまうほどのことがあったんだと思う。それはきっと大切な人を守ろうとした結果でしょ?情けなくなんかない。

亮くんは優しいから、わたしを大切にしたいって思えば思うほど夢に見ちゃうんだと思う。大丈夫、だってそれはただの夢だから。

「夢だよ。ほら、わたしはどこも壊れてないじゃん。ね?」

亮くんの瞳が激しく揺れた。わたしを見て、その綺麗な瞳でちゃんと。

「……私なんかが貴女を好きだと言ってもいいんでしょうか」

「好きなら好きって伝えてほしいんだけど?」

「好きでなければこんなにも悩むことはないでしょう」

それって、つまり……?