ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 そして、心の底から安心してもらう為に口にした。

「大丈夫だよ、私はここにいる。」



 時刻は20時10分前。それに気付いたのは、どこかからの公式メッセージの通知だった。

「あっ、そろそろ寮に戻らないと怒られる……!」

「それじゃあ近くまで送るよ、行こう。」

 あれから少し落ち着いた司君の提案で、帰る準備をパパッと済ませる。

 司君、いつもの調子に戻ってよかった……。

 結局吸血練習は拒否して、気分が下がってしまった司君のメンタルケアに勤しんでいたわけだけど、ちょっとびっくりした。

 抱きしめられた時に、オフは落ち込みがちになるんだなぁって思ってたけど……思った以上で。

『俺、本当にダメなんだ。吸血もそうだけど、教えられないとできないし強いわけじゃないから、暁が嫌がらせされてた時に助けに行けなくて。なのに周りは勝手に期待してくるし、ちゃんとしなきゃいけないのにできないし……ダメなんだよ。』

 まさかあそこまで卑下しやすいタイプだったとは……。自信家な普段と違いすぎて、温度差で風邪を引きそうだ。