ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 司君からしたら何言ってんだって話かもしれないけど、これは司君の為になる。

 吸血はヴァンパイアにとって大事な行為で、だから吸血パートナーも存在する。将来的にそういう人を作るんだから、慣れるのは早いほうがいい。

 それに、吸血しなさすぎは社会では舐められてしまう。ヴァンパイアのくせに吸血もできないのか、と。

 そんな思いを、司君にしてほしくない。

「……暁はハンターなんだから、吸血されたくないんじゃないの? ハンターにとって俺は敵だし、監視対象でもあるし。」

「それは……そうだけど、監視対象には元気でいてもらわないとちゃんと監視できないから! だから言ってるの!」

 自分がヴァンパイアに甘い自覚はある。同情もしちゃうし哀れにも思う。

 こんな提案委員会にバレたら終わりだけど、体調を崩されて寝たきりになられるよりは断然良い。

 ずいっと顔を近付け前のめりになりながら言うと、司君は呆れたように息を吐いた。

「暁って、本当に目が離せないな。……それってもしかして、弥虎たちにも提案するつもり?」