ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「……すみません。」

「分かったならいいよ。それより辛いところとかない? 怪我とかもだけど、気分はどう?」

「辛くはない、かな。まだちょっと頭痛いけど、全然元気だよ!」

 腕や足も確認してみたけど、怪我はないし本当に貧血だけっぽい。

 思った事を伝えると司君は安心したように目を細め、私の頭を優しく撫でた。

「司君……」

「もしかして嫌だった?」

「そ、そういうわけじゃないけど……びっくりしちゃって。」

「そっか。……そういえば夕食作ってるから一緒に食べない? 食欲あるなら、だけど。」

 ひとしきり撫でた後、満足そうに寝室の扉を開ける司君。

 すると微かにお味噌汁の良い香りがやってきて、そのせいかお腹が素直に音を立てた。

 うぅっ、ずっと気を張り詰めてたからお腹空いてる……。

 お腹の音が鳴るまでは断ろうかと思ったけど、司君の料理も食べてみたい。

「……食べたいです。」

 恥ずかしさを隠すように、私はタオルケットにくるまりながらそう伝えた。



「暁、ミルクティー淹れたけど飲める?」