話していた時の乙華の嬉しそうな笑みが頭の中にふわっと浮かんできて、口元が緩む。
……それに、乙華の事情も知れてよかった。
『わたくし、小さい時から榊原を継ぐ為に家でたくさん勉強してたの。でもいざ初等部に入ると周りと価値観が合わなくて……その時は気付かなかったけど、確かに横暴な態度を取っていたの。』
『例えば、って聞いてもいい?』
『挙げたらキリが無いわ。人の話は聞かないし自分の話ばかりするし、チームワークなんて全然気にしなかった。とにかく協調性がなくて、疎まれても仕方がないって分かってるの。』
自嘲気味に笑っていた乙華が印象深くて、自分の事じゃないのに苦しくなる。
乙華は乙華なりに反省してて、それを直そうとしてる。周りの気持ちも分かるからすぐに受け入れろとは思わないけど……過去だけ見て決めつけるのはやめてほしい。
――ジリリリッ、ジリリリッ
「ひゃっ!?」
一人静かに感傷に入り浸っていたところ、割り入ってきたのはトランシーバーの音。
それに応答する為に、誰かに見つからない場所まで足を伸ばそうとした……けど。
……それに、乙華の事情も知れてよかった。
『わたくし、小さい時から榊原を継ぐ為に家でたくさん勉強してたの。でもいざ初等部に入ると周りと価値観が合わなくて……その時は気付かなかったけど、確かに横暴な態度を取っていたの。』
『例えば、って聞いてもいい?』
『挙げたらキリが無いわ。人の話は聞かないし自分の話ばかりするし、チームワークなんて全然気にしなかった。とにかく協調性がなくて、疎まれても仕方がないって分かってるの。』
自嘲気味に笑っていた乙華が印象深くて、自分の事じゃないのに苦しくなる。
乙華は乙華なりに反省してて、それを直そうとしてる。周りの気持ちも分かるからすぐに受け入れろとは思わないけど……過去だけ見て決めつけるのはやめてほしい。
――ジリリリッ、ジリリリッ
「ひゃっ!?」
一人静かに感傷に入り浸っていたところ、割り入ってきたのはトランシーバーの音。
それに応答する為に、誰かに見つからない場所まで足を伸ばそうとした……けど。

