ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「乙華は助けに行けなかったって言うけど、本当に助けられなかったって言うなら連絡なんてせずに私を見捨てたはず。でも乙華はそうしなかった、何で?」

「……そんなの、暁が大事だからよ。」

「その気持ちで私は救われたんだよ。乙華は私を見捨てずに助けてくれた、それが事実。……だから泣かないで、乙華の性に合わないよ。」

「っ……でもわたくし、嫌われ者なのに、優しくしていいのっ……?」

 強く抱きつきながら乙華の悔しそうに嗚咽を漏らす声に、唇を引き結ぶ。

 連絡を入れてくれたなら必然的に現場を見ている事になる。だから乙華も気にしてるんだ。

『壬生君たちから離れて榊原さんと嫌われ者同士仲良く過ごすか。どちらか選ばせてあげる。』

 あんなの第三者の私が嫌になるくらいなんだから、乙華がこうなるのも当然。それを、全部否定は私にはできない。

 でも……っ!

「乙華は私の友達、大事な友達なんだから嫌いになんかならないし、優しくするのなんて普通だよ。」

「暁……っ」

「私、乙華と一緒に色んな話して笑ってたまに言い合いになるのが好きなんだよね。これからもそうしたいから、乙華と一緒にいさせて。」