ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる！

　いつにもまして小さく見える乙華に駆け寄り、勢いのままに抱きついた。

「乙華、弥虎くんから聞いたよ。私が囲まれちゃった時、弥虎君に連絡してくれたんだよね？　だから、乙華と早く話したくって……」

「……走ってくるなんて、何事かと思ったわ。」

　静かに抱きしめられてる乙華はどこか遠くを見ているようで、力ない言葉が返ってきた。

　こうして抱きしめているといかに乙華が小さいかを痛感し、それでも私を守ってくれた事に嬉しくなってしまう。

「ありがとう、助けてくれて。」

「わたくしは……何もしてないわ。」

「そんな事ないよ！　だって乙華が連絡してくれたから、私は――」

「でもっ……わたくしは暁を助けに行けなかった！　お礼なんて言わないで！」

　っ、乙華……。

　私の体を押しながら叫ぶ乙華に、一瞬言葉を見失う。ここで否定するのもおかしいし、乙華はきっと納得しない。

　だけど、どう言えば……。

　思考を巡らせてぐるぐる考えていたその時、ある一つの言葉が浮かんでくる。

　……こんなの乙華からしたら慰めにもならないかもしれない、けど。