ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 弥虎君が頭を支えてくれてるから痛くないけど、いきなりすぎて心臓が大きく脈打っていた。

「暁ちゃんごめんね、大丈夫っ?」

「う、うん。何とか……」

 ゆっくり目を開けながら返事をすると同時に、目の前に覆い被さっている弥虎君が映る。

 その表情はいたずらが成功したようなもので、今日も今日とて元気だなぁ……なんて思った。

「こら弥虎、早く暁から降りて。暁がびっくりしてるから。」

「わっ、そうだった! 暁ちゃんほら、掴まって!」

「あ、ありがとう……。」

 それを見かねた司君が声をかけてくれて、弥虎くんに起こしてもらう。

 ぐいっと強い力で引っ張られたから難なく起きれ、ソファに深々座り直した。

 そして隣に弥虎君も腰を下ろすと、瞬時に再び抱きついてくる。

「やっと暁ちゃん補給できる〜っ。」

「……弥虎君、身動きが取れないんだけど……」

「そりゃ僕が捕まえてるからね〜! 暁ちゃんって目離すとフラフラどっか言っちゃいそうだし。」

「そ、そんな事ないよ。」

「そうかなぁ、じゃあ何で僕たちに嫌がらせ受けてるの言わなかったの?」