ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 なるほど、蘭君は典型的なヴァンパイアなのか。なら、やっぱり警戒しておいたほうがいいっぽい。

 でも、朝翔君たちってちゃんと吸血してるの……?

 話し方から推測するに朝翔君はしてないっぽいし、もやし司君たちも……。

「司君と弥虎君が人間から吸血する事って、あるのかな?」

「……話は聞いた事ない。でもしてないと思う、いつもサプリで済ませてるっぽい。」

「……朝翔君も、吸血しない感じ?」

「うん。俺は……昔に嫌な事あったから、それ以来はしてない。」

 それって、前に乙華から聞いた吸血パートナーの子の話だよね……。

 けど濁すって事は触れたくない話題って事だろうし、これ以上は聞かないでおこう。

 朝翔君の難しい表情を見つめながら、再び問題を解こうとシャーペンに手を伸ばす。

「やっと開放された〜っ! 暁ちゃんが足りない〜っ!」

「ちょっと弥虎、そんな勢いよく入ったら――」

「えっ? ……わあぁっ!?」

 だけどそれは叶わず、唐突に飛びついてきた弥虎君を受け止めきれずにソファから落ちる。