ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 騒がれてるのは4人っぽい。それに、やけに目立つ髪色している。

 でも彼らの姿を見た瞬間、ハッとある事に気付いた。

「あの人たちだ、監視対象のヴァンパイア……。」

 誰にも気付かれないよう、こそっと呟く。

 まさか、こんな早くに見つけちゃうなんて……運が良いのか悪いのか。

 見間違いかとも思ったけど、あんな分かりやすい髪色をしていて見間違えなはずない。

 私が監視を任されたのは、同学年の4人。

 赤みがかったオレンジの派手な髪色に、きゅるんとした大きな瞳。女子顔負けな可愛らしい顔をしていて、常に口角が上がっているのが特徴的な子。

 同じ12歳なはずなのにどこか子供っぽく、すでに周りから可愛がられている彼の名前は鳳弥虎(おおとりやとら)

 確か鳳ホールディングスの経営者が父親で、どんな場面でも愛嬌とコミュ力で乗り切るタイプだったはず。

 次に目に入ったのは彼の隣で物静かに、そして何にも興味を示さず無表情な高峰朝翔(たかみねあさと)

 落ち着いた黒が混じった青髪が顔の良さを引き立たせているけど、彫刻のように表情筋をピクリとも動かさない。