ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 昔はそうだったかもしれない。今だって気が強いし、ちょっぴりわがままなところもある。

 それでも話は合わせようと調べてきてくれたり、最新のトレンドからいつの話!?っていうところまで教えてくれる。

 しっかり自分を持ってるし、心配してくれる優しさだってある。

 それを、過去そうだったから……で片付けられるのは、悔しい。

「なっ……外部受験のくせに偉そうに!」

 いきなり反論した私に彼女たちは一瞬怯むも、気に障ったのか再び手を振りかぶる。

 叩かれる……!という直感で、痛みを覚悟するように唇を引き結んだ……瞬間。

 ――パシッ

「は……?」

「なーに物騒な事やってんの〜? 僕も混ぜて〜。」

 頭上から聞こえるのは、彼女たちの混乱した言葉と聞き覚えのある跳ねるような声。

 何が起こってるのか確かめる為に上を向くと、私の目の前にはやっぱり弥虎君がいた。

 でも、いつもと雰囲気が違うような……?

 理解が追いついてない頭でそう考えていると、彼女の腕を離した弥虎君は私に急いで視線を向けた。