ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「暁、顔色悪いよ。大丈夫?」

「えっ!? そ、そうかなぁ、昨日ちょっと夜ふかししちゃったからかも……。」

「本当にそれだけ? 暁ちゃん大丈夫なの?」

「う、うん大丈夫! 今日は早く寝ようかなぁ……。」

 そして、ついに司君や弥虎君にも怪しまれるまでに。

 無理に口角を上げて何でもないように返事してみせるも、二人は納得していない様子。

「あ、ほんとだ。暁ちゃんどうしたの? 何かあった?」

「熱は……なさそう。体だるいとかない?」

 その会話を聞いていた朝翔君や蘭君も不安そうに尋ねてきて、チクッと良心が痛む。

 だけどここで弱気になると、絶対みんなに迷惑がかかる。本人たち以外が原因の騒動には巻き込みたくない。

 テストが終わったらこの件には片を付けよう。それまでは、どうかバレませんように……。



 その日の帰り道、私は「心配だから寮まで付き添う」と言ってくれたみんなを振り切り、寮近くのベンチに腰掛けていた。

 そこでやっと一人になれた事に安心して、何回も深呼吸を繰り返す。