ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 底なしに元気でついていくのがやっと、でも俺にとっては道を照らしてくれた光で。

 それにそう思ってたのは俺だけじゃないはずだし、これから先も望さんがいてくれたら憂鬱な日々でも楽しく過ごせるって確信があった。

 ……――だからこそ、俺はもう望さんの前にはいられない。罪を、犯してしまったのだから。

『ッ、意外にも力あんのなあいつら……5人相手にするのは分が悪ぃか……』

『望さんっ、もういいから……! 俺があっちの言いなりになれば済む話だからっ、だからもう……!』

『でもさ、お前嫌だろ? あんな、ヴァンパイアを人とも思ってねー奴らのとこに行くのなんかさ……』

 事件に巻き込まれたのは、家まで望さんに送ってもらった時だった。

 いきなり体の自由を奪い郊外に連れていき、『壬生司をよこせ』と言ってきた相手。数は5人だったはず。

 この時はどうして俺なんだって訳が分からなかったけど、俺たちを攫った相手はかつての大罪人の被害者だったらしく。

 八つ当たりや腹いせ……そんな言葉で言えるような理由だったんだろう。