ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 そういう時の為にヴァンパイア対策委員会はある。ヴァンパイアへの誹謗中傷も立派な犯罪になるから。

 押さえつけたまま会話をレコーダーに録音していると、十字架が大きく描かれている一台のパトカーが近くに停車したのが見えた。

 そこから二人のハンターが降りてきて、犯人を引き渡す。

「お疲れ様です、聖城さん。……それにしても流石我らのエースですね、二次被害なく捕まえてしまうなんて。本当に尊敬します。」

「いえ、私はやれる事をやったまでです。そちらのヴァンパイアをよろしくお願いします。」

「はい、では失礼します!」

 敬礼をしてヴァンパイアと一緒に本部に向かった車を見送って、はー……とやっと一息吐く。

 今回はあっさり捕まえれたから良かった……何回逮捕しても、この胸の痛みは収まりそうにないけども。

 もちろん世の中には生粋の悪人だっていて、そこに慈悲はいらない。

 だけどさっきみたいな、衝動的に起こしたり仕方なくやってしまった者には心が痛む。

 仕事に私情なんて持ち込むべきじゃないのは分かってるけど、思っちゃうものは仕方ない。