ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 リストを眺めながら私は、まだ会っていないヴァンパイアたちを憐れんだ。

 その時、私たちのいる副委員長室が軽いタッチで開けられる。

「やっ、愛娘への話はどうかな。副委員長くん。」

「それやめろって言ったよな委員長。」

「いいじゃないか、事実だし。……それにしても、どうやら暁ちゃんはこいつらを憐れんでるみたいだねぇ。」

 ……委員長には全部、お見通しなんだな。

 突然やってきて一瞬で見抜いた対策委員会委員長に「はい。」と素直に返事する。

 すると、委員長は明朗な笑顔を浮かべたまま口にした。

「でも暁ちゃん、極悪の血が流れてるヴァンパイアに慈悲なんていらない。今は大人しくしていても、いつどこで暴れるかなんて分からないからね。だから刑事課屈指の実力派の君に監視を頼みたいんだよ。もちろん手当ても出すし、サポートもさせてもらうから安心してほしい。」

「……そう、ですか。」

「もしかしてまだ渋ってる? 大丈夫だよ、何も暁ちゃんだけを危険な目に遭わせようなんて思ってない。1ヶ月くらい遅れちゃうけど、うちの愛息子の(はる)だって編入させる予定だから。」