ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「どうかな聖城さん。悪くない話だと思うけど。」

 確かに悪くはない。むしろこの取り引きを受け入れたほうが、私の体裁を守られるから断る理由はない。

 でもこういうのはあまりハンター的には良くないだろう。弱みを握られるハンターなんて情けないったらありゃしない。

 ……――だけど。

「今回だけ、なら。」

「取り引き成立だね。これからよろしく、聖城さん。」

 色んなバレた後の可能性を考えると、やっぱり飲み込むのが私にとってありがたい話で。

 最終的に頷いてしまった私に悪魔の囁きをした壬生司は、不敵な笑みを浮かべていた。



 それからというもの、私の自由時間はことごとく彼らに奪われる事になってしまった。

「暁ちゃんはぜーったい僕の持ってきた紅茶のほうが好きだよね!?」

「いやいや何言ってんの、暁ちゃんの好みはこっちだって。でしょ、暁ちゃん。」

「……どっちも好きだよ。」

 ある時の放課後は、鳳弥虎こと弥虎君と城地蘭こと蘭君の紅茶論争に巻き込まれたり。

「……暁、いる?」

「朝翔君!? どうして私の教室まで……!」