ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 ……さてはそのつもりで私を脅したな。

 壬生司の言い分は道理が通っている。あんなにチヤホヤされたら、おちおち愚痴の一つも言えないだろう。

 きっとその為にこの場所はあるんだなと納得しながら、隣の鳳弥虎に尋ねた。

「……あんな事言ってるけど、鳳君も思ってるの?」

「うんっ、そりゃあ思うよー! 僕だって悩みの一つや二つあるし、ヴァンパイアだからって言われて期待されるしー。もし暁ちゃんがここに遊びに来てくれるようになったら嬉しいっ! あさくんもらんくんも同じ事思ってるんじゃないかなー?」

 そうなの?と問うように二人に視線を向けてみると、高峰朝翔は目を伏せ、城地蘭は飄々とした笑顔を浮かべていた。

「……俺は別にどっちでも。」

「暁ちゃんみたいな可愛い子がいてくれるのは俺もうれしーかな。司と弥虎の言ってる事も分かるし、吐き出し口は俺だって必要だからここに来てるわけだし賛成だよ〜。」

 鳳弥虎ほどはっきりした返事ではないにしろ、否定はしないみたい。

 二人の言葉で最終的に良しと判断した壬生司は向き直り、再び私に取り引きを持ちかけてくる。