ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 楽しそうに感嘆の声を口にしながらこちらに駆け寄ってくるのは、近くで見ると更に子供感っぽい鳳弥虎。

 彼はただでさえ大きな瞳をキラキラ輝かせながら、「さっきのってヴァンパイアにしか解けないはずでしょ!? どうやってやったの!?」と元気いっぱいに尋ねてくる。

「え、えっと……」
 
 対処に困りまともな言葉を返せずにいると、潜んでいたらしい雪崩ヴァンパイアたちがようやくこっちに近付いてきた。

 その内の一人である城地蘭が、彼の首根っこを掴んで私から離してくれる。

「弥虎、女の子に許可なくグイグイ行くのはダメっていつも言ってるだろ〜?」

「あははっ、確かに言ってたかも! 忘れてた!」

「全く弥虎ってば……ほんとごめんね〜、こいつ人懐っこいから誰彼構わずこんななんだよね〜。」

「……別に大丈夫、だけど……」

 言葉を見失いながら、言葉通り彫刻のように無表情な高峰朝翔の隣で、愉快そうに口角を上げている彼……壬生司に視線を送る。

 おそらく……ううん、確実に今ので私がヴァンパイアハンターだと彼らにバレた。