ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 そりゃそうかな、初等部の時からチヤホヤされてたら慣れちゃうのかもしれない。

 そんな私の隣で壬生司もぼんやり人だかりを見つめ、不意に口を開く。

「相変わらずすごい熱量だと思わない?」

「うん、そうだね。私にはこう騒ぐのもできそうもないし、気力もないから別世界って感じがする。」

「ふふ、確かに君って恋愛とか流行りに疎そうだもんね。」

 うっ、はっきり言われた……。

 あながち間違いではないし自分でも興味ない!と言えるくらい疎くはあるけど、第三者に言われるのはちょっと傷つく……。

 グサッと言葉の矢が刺さった心臓を押さえ、壬生司がその気なら……と私も直球に尋ねた。

「でも壬生君も人気者なのに、何であの輪に入らないの?」

「……気分かな。人混みって好きじゃなくて、こういう静かなところにいるほうが気が楽なんだよね。」

「なら私も壬生君と同じだ。人が多いと酔っちゃうし。」

「俺もたまに酔うよ。似た者同士みたいだね、俺たち。」

 言いながら軽く笑う壬生司に、ちょっと失礼だなぁと思いつつも事実だったから私も頬を緩ませる。