ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「そうできたら苦労しないよ……。」

 それにヴァンパイアを逮捕する時は手加減しなくていいって思ってるから、そんな態度で過ごせない。

 しかもハンターだってバレないようになんて難しすぎるし、彼らを自然体で監視するのが目的だとしてもいつか絶対バレる気がする。

 春君は軽く言うけど、実際に入学してみれば分かるよ!

 むーっと膨れながら春君に怒ると、電話からは負けじと鋭い声が飛んでくる。

《俺はヘマなんか絶対しない。スパイ経験は暁より俺のほうが上だし……だから俺が編入するまで、絶対バレるなよ。》

「……分かった、気をつけるよ。」

 春君は望さんの事件があってから、人一倍ハンターの訓練を頑張っている。

 私も褒められて喜んでる場合じゃないよね……しっかりしなきゃ。

 ちょっと自分に甘かったなと反省して、改めて喝を入れ直す。ハンターとしてここにいる以上、呑気でいちゃダメだ。

「春君、待ってるからね。」

 そう伝える私に、電話越しからは意志の強い言葉が返ってくる。

《……あぁ、待ってろ。》