ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「まだ初日なのに、疲れた……。」

 無機質な天井を見つめながらベッドに寝転び、私しかいない部屋で大きくため息を吐く。

 時計は19時を示しているけど、疲れと今後の不安で食欲は湧かない。

 こんなので私、やっていけるのかなぁ……。

 今まで何度もハンターとして逮捕や補導はしたりしたけど、入学までして仕事をするのは初めて。

 ちなみに、今いるここは有明学園の寮の一室。本来は家が遠い人とかの為の施設で、比較的家が近い私は寮に住まなくても大丈夫なはずだった。

 だけど委員長曰く、『ヴァンパイアも寮住みだから暁ちゃんも寮に住んでもらうよ。そのほうが何かあった時の対処もしやすいだろうし。』だそうで。

 真っ当な理由だし、それに難癖をつけたいわけじゃないけど……。

「流石にこの寮は豪華すぎるよなぁ……。」

 寮に住む者はさして多くない。だから部屋もこぢんまりしていると思っていた。

 なのに一部屋だけ見るにしても大きく、内装はまるで高級マンション。

 家電も完備されて家具だって新調されている。ここに住むとなると感覚が麻痺しそう。