ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 ヴァンパイアに血の摂取は必要不可欠。そのせいか、軽く脅してみると本能が刺激されて起きるみたい。

 突然本能で起きた彼は今の状況を全く分かってないみたいで、分かりやすく呆けている。

 けどすぐハッと我に返り、いつもの王子スマイルを浮かべた。

「もしかして君が起こしてくれたの? ……ありがとう。」

「いえ、お役に立てたならよかったです。気分とか悪くないですか?」

「むしろスッキリしてるかな、君の独特な起こし方のおかげで。」

 独特な起こし方か……確かにそうかも。

 自分の行動を思い返してみると、やけに原始的な起こし方しちゃったな……とちょっぴり反省。

 でもスッキリ起きれたならよかった、こっちとしてもありがたい。

「じゃあ、私はこれで……失礼しました。」

 というわけで、私のお節介はここで終わり。

 長居するわけにもいかず早々に退室しようとすると、壬生司が惜しんだようにソファから立ち上がった。

「ねぇ、ちょっと待ってよ。」

「は、はい?」

 鋭い声色に呼び止められ、ぎこちない返事が口から零れる。