……そして最後に、壬生司の事を尋ねてみた。
正直彼は何を考えているか全く読めないから、一番の警戒対象でもある。
そう考えながら眉間に皺を寄せている私に、乙華は「なぁにその顔。」と笑いながら喋りだした。
「壬生君は初等部の頃から大人びてて、周りより何歩も先を歩いてた感じよ。勉強もスポーツも完璧でコミュ力も高くて、まさに非の打ち所がないみんなの憧れ。今でもそうだし、そんな壬生君に近付きたいって子は何人もいるわ。」
「乙華もそうなの?」
「いいえ、わたくしは堅実な人が好きなの! 壬生君は良い人だけど堅実っぽくはないし、そんな事考えてもいなかったわ。」
話を聞くに、壬生司は特に目立った行動はしていないらしい。じゃあ、何で一番危険って言われてるんだろう……?
それが腑に落ちなくてぐるぐる頭で考えていると、ふと何かを思い出したように乙華が言い出した。
「けど壬生君って確か、去年の今頃に攫われたって聞いたような……」
「え?」
攫われた……?
「乙華、その話詳しく!」
正直彼は何を考えているか全く読めないから、一番の警戒対象でもある。
そう考えながら眉間に皺を寄せている私に、乙華は「なぁにその顔。」と笑いながら喋りだした。
「壬生君は初等部の頃から大人びてて、周りより何歩も先を歩いてた感じよ。勉強もスポーツも完璧でコミュ力も高くて、まさに非の打ち所がないみんなの憧れ。今でもそうだし、そんな壬生君に近付きたいって子は何人もいるわ。」
「乙華もそうなの?」
「いいえ、わたくしは堅実な人が好きなの! 壬生君は良い人だけど堅実っぽくはないし、そんな事考えてもいなかったわ。」
話を聞くに、壬生司は特に目立った行動はしていないらしい。じゃあ、何で一番危険って言われてるんだろう……?
それが腑に落ちなくてぐるぐる頭で考えていると、ふと何かを思い出したように乙華が言い出した。
「けど壬生君って確か、去年の今頃に攫われたって聞いたような……」
「え?」
攫われた……?
「乙華、その話詳しく!」

