ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「今から別の学校に行くなんて無理だよ! 何でそんな突然――」

「頼む、一生のお願いなんだ! どうか有明に行ってくれ!」

「……理由、教えてくれないと分かんないよ。」

 懇願ばかりしてくるお父さんに呆れながら尋ねると、説明し忘れた事に気付いたのかハッとするお父さん。

 お父さんはすぐさま「すまない……焦りすぎた。」と言いながら、私に4枚のリストを見せてきた。

 そこにはそれぞれに美形な男子の写真と、その子に関する情報が載っている。

「お父さん、これって……?」

「これは【ヴァンパイア対策委員会】が危険視している……暴走する可能性のあるヴァンパイアたちだ。」

「っ……!」

 なるほど、お父さんの言いたい事が分かった気がする。

 ……この世界は、人間とヴァンパイアが共存している世界。“仲良く共存しよう”というスローガンを掲げているくらい、人間とヴァンパイアでは明確な区別がある。

 ヴァンパイアは世界の1割ほどと統計データがあり、ハーフやクオーターのヴァンパイアだという人も含めると大体3割ほどになる。