ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 貰ったリストにも初等部の話なんて書いてないから、聞けるなら聞いておきたい。

 すると乙華は途端に目をキラキラ輝かせ、声を上ずらせながら話し始めた。

「じゃあまずは……一番印象が強かった鳳君からね。」

 少し悩んだ結果ぽつりと呟いた乙華に、シャーペンとメモ帳を持って待機する。

 そしてその数十秒後、言いたい事が纏まったのか乙華はゆっくり言葉を紡ぎ出した。

「鳳君は見たら暁も分かると思うけど、そこらの女子よりも可愛いってイメージね。他の子の着せ替え人形になってたらしくて、本人もおしゃれするのにハマったみたい。その影響かは分からないけど、鳳君は超がつくほどあざといわ。同い年だと思えないくらいにはね。」

「なるほど……変な事聞くけど、鳳君って初等部の頃に騒ぎとか起こしてない?」

「騒ぎ? 軽い喧嘩とか言いがかりに巻き込まれてたのは知ってるけど、話題になるほどはなかったはず。」

 へぇ、やんちゃな性格ってリストにあったから何かしら起こしてそうだとは思ったけど……私の決めつけだったみたい。