ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 なるほど、そういう事か。こんな事を言えない立場なのは分かってるけど、そういう経緯があったなら恋愛にも消極的になってしまうだろう。

 だから私が朝翔君の好みを肯定したから、好きになってくれたって事か……。

「……辛い事、話してくれてありがとう。」

 きっと言葉にするのも嫌なはずなのに、こうして吐き出してくれた事が嬉しい。

 呟くように口にすると、朝翔君はこくりと頷く。

 ……そんな朝翔君の表情は、未だ影を落としていた。

「でも、暁は司が好きなんだよね。」

「なんっ……!?」

「好きな人のことは見てたら分かる。多分暁が恋心に気付く前から、分かってたから。」

 そ、そういうものなの!?

 朝翔君にバレてるって事は、もしかして司君にもバレてる……?

 それなら恥ずかしすぎない!? こっちから返事なんてできないよ……!

 だけどそんな事朝翔君は露知らず、クスッと悲しそうに微笑んだ。

「あーあ……もう来たのか、残念だな。」

「へっ? 一体誰のこと言って――」