ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 だけど私も修羅場に巻き込まれたくなくて、咄嗟に頷いた。

「乙華、先帰ってて。私、まだ帰れそうにないから。」

 そして今度は乙華に私が耳打ちして、朝翔君とその場から退散した。



 人に見つかりにくいところまで逃げていたら、気付けば第3校舎まで来ていた。

 はぁ……流石にここまで来れば流石に大丈夫だよね。

 息を整えながら朝翔君に目をやると、まるで疲れていない彼が視界に映った。

「朝翔君って体力あるんだね……。」

「まぁ、一応ヴァンパイアだからそこそこは。でも弥虎に比べたらないよ。」

「た、確かにそうかも……。」

 体力オバケの弥虎君を引き合いに出すと、みんなないほうだと思うけど……あはは。

 息を一つも荒げていない朝翔君に苦笑いを浮かべ、私はさっきの出来事を問い質した。

「さっき……告白とか聞こえたけど、一体何があったの? やっぱり修羅場?」

 あんまり真剣に尋ねると答えづらいかもと思い、ちょっとおどけてみる。

 そんな私の質問に朝翔君はうーんと考えてから、ぽつりと呟いた。